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……設計活動を具体的に始めてからというよりも、幼児体験みたいなものから続いている。それは土とか、木という物質的なものではなく、風とか、空の色とかの記憶が、無重力・無機的な空間に強く結びついているのかもしれません。その意味では、手で触れられる物が素材ではなく、匂いや光みたいなものまでぼくの中に素材としてあるのかもしれません。-商店建築197703…… 一気に春を飛び越えて初夏とも言える陽気になった、東京は南青山。ついにあのミス・ブランチ(miss blanche)を見る機会が訪れました。この椅子の制作者を知るに至った出来事は、数年前、センスの良いプレゼントを探しに六本木のAXISビルに出かけたのがきっかけで、今は移転してしまったスパイラルの店舗デザインを手がけたデザイナーという風に覚えていました。店内はメタリックカラーの変わった感じで、売り物のかっこいい壁掛け時計を見て、その人物に興味を持ち始めたのが最初でした。 その人物はインテリアデザインや店舗空間デザインで名を馳せており、作品やバックグラウンドを調べていくうちに、一脚の異質な椅子の写真に目を奪われたのでした。それがミス・ブランチでした。そしてその椅子のデザイナーの名は、倉俣史朗。 今回の展示は美術館ではなく、フロム・ファーストビルの1F。かつてイッセイミヤケ(Issey Miyake)の1号店があり、そのデザインを手がけたのが倉俣史朗でした。そのゆかりの地での開催です。美術館ではない…と強調したかったのは、写真や文章で想像をふくらませていた、ミス・ブランチが触れられるほど間近で見られるというところ。感想は聞かれても、言葉では表現が出来ません。ただただ本当にうっとりします。椅子の重さは70kg近くになるというのに、それを感じさせない「軽さ」「儚さ」を見事に表現しています。写真で見たイメージとは違い、実際は二回りくらい小さい感じでした。他のアイテムは、細長いベッドとスターピースのラピュタ(laputa)や、グラスチェア(glass chair)の本物の展示もあります。ラピュタのシーツ部分は当時のものではなく、新しいものに張り替えているそうです。 また、倉俣史朗に対するオマージュとして、吉岡徳仁(Tokujin Yoshioka)と島一精(Kazuaki Takashima)の作品も展示されています。吉岡徳仁の椅子はグラスチェアと同じ形ですが、材質が違います。40万円もするのですが、座らせて貰いました。なかなか座り心地は良かったです。そして、スターピースをあしらった島一精デザインのTシャツやドレス、パジャマ、シーツなどもありました。また展示空間がそのままショップになっている事もあり、実際に購入出来るものもあります。値段が手頃なのはTシャツでしょう。そろそろ展示替えが行われるというスタッフの話でしたので、何度も足を運ぶことが出来そうです。 思えば「椅子好きや空間デザイン、インテリアデザインを志す人であればその名を知らない人はいない。」と言われる人物の手がけたお店、スパイラルに知らないうちに何度も行けていたというのが偶然でした。倉俣史朗は、その時はただの雑貨好きでしか無かった私を、デザインの世界に興味を持たせてくれたのでした。ミス・ブランチを都内で見られる機会はあまり無いので、興味を持たれたらぜひ。 #車で行ったのですが、フロム・ファーストビルの駐車場は4/19現在で工事中。かの有名な洋菓子店・ヨックモックの反対側に100円パーキングがあり、ここを利用しました。30分400円でクレジットカードも使えます。入口と出口が狭いので要注意です。ただ、この通り沿いには、インテリアショップや、ファッションの旗艦店もありますし、雰囲気も良いので、表参道駅からぶらぶら歩いてくるのがオススメでしょうか。 |
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