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![]() 痕跡展のリーフレット。 ![]() 東京メトロ東西線・竹橋駅から至近の国立近代美術館。駅から徒歩3分程度。駅でお茶も出来ます。 ![]() 見終わった頃には日が沈む頃に…。美術館正面から九段下方向を。 |
……1950年代から70年代後半まで、およそ30年にわたる美術の流れの中に「痕跡としての美術」は多様に姿を変えて登場します。そして日本のみならず、アメリカやヨーロッパの戦後美術においてもこのような美術の系譜は脈々と続いています。日本における具体美術協会の活動、読売アンデパンダン展周辺の作家たち、もの派の動向、あるいはアメリカにおけるネオ・ダダ、ボディ・アート、コンセプチュアル・アート、そしてヨーロッパにおけるウィーン・アクショニズム。国籍も時代も表現も全く異なったこれらの動向を「痕跡」という視点から捉える時、現代美術の思いがけない同時性や共通性、表現の多様性と独自性が明らかになるように思います。 …… 今年は思い立ったら美術館に行こうか…という感じの出だしとなった1月。これが早くも今年2回目。やはり地球温暖化は進んでいるのか、割と暖かいある日の午後、artscapeで見つけた展示を見に行くことにしました。家からほど近い、東京国立近代美術館の「痕跡」展です。名前に惹かれて見に行くのが半ばでしたので、こういう展示のタイトルの付け方ってやはり重要ですね。 今回はジャクソン・ポロックの本物を見てみたいなあ、と思っていた以外はほとんど事前知識無しにまた突撃!入口すぐの所に、ルーチョ・フォンタナのカンヴァスに切れ目の入った特徴的な作品。そして左手にジャクソン・ポロック。嫁さん曰く「絵の具をぶちまけたような感じ」と言っていて、さらにflash秀作の "kunstbar" を見ていたので、ポロックとはなんぞやと思っていたのですが、おお、百聞は一見にしかずとはまさにこのことですね。 作品のそばに作者のプロフィールが書いてあり、これはなかなか親切だと思っていたのですが、よく考えてみると入口からちらっと見えた展示の膨大な量!ほぼ作者一人に対して2〜3作品くらいなのでこれは解説を読んでいたら2時間くらいはかかりそうだな…とある程度覚悟して回ることにしました。もし解説を読みたい場合は平日に行かれることをおすすめします。 既に展示室の中にはなにやら異様な重圧感のある空気が流れています。展示は「表面」「行為」「身体」「物質」「破壊」「転写」「時間」「思考」の8セクションに区分分けされていました。出品アーティスト数が多くもはや覚えきれないと思ったのと同時に、これだけの数のアーティストを一度に知れるのは滅多に無いなあと、覚えるのを諦め図録に買ってそれに頼ることにしようと思いました…図録の価格は2000円でした。なので今回のメモランダムは割と正確なはずです。 だいたいセクション順に見て回って行ったのですが、「表面」では村上三郎の剥落する "作品"。横から見ると今にも塗料のようなものが剥がれそうでした。少し後ろに足を引くと何かを踏んだ感触があったのですが、特にこの絵画からのものというわけではありませんでした。 自分自身の「記憶の痕跡」も感じつつ次は「行為」セクションへ。オットー・ミュールの "klarsichtpackung" は女性の身体をビニールに包み、絵の具や食品をぶちまけたフェティシズム的錯乱的ストレス解消アート。うむむ。ジョルジュ・マチウの "Toyotomi Hideyoshi" が制作風景も含め非常にクールだと感じました、これは今の感覚だから自然で普通なのでしょうが、この作品が1957年に作られた物とは…。 先に進むと、わざと区切られている部屋は「身体」の続きで、先ほどからカタンカタンと音がしていた物の正体がありました。自動スライドショウマシンが、アナ・メンディエッタの "people looking at blood, moffit" を映し出し、壁面には、マリーナ・アブラモヴィッチの "thomas lips" が上映されています。この小部屋は人間の感覚に強く訴えかけるものを集めた、まさに感じるアート…というよりかは強いメッセージ性を伴うジャーナリスティックな作品のように思えました。「感受性の強い方はご遠慮」と注意書きの通りで納得でした。 ここまで見たところで既にかなり満足していたのですが、展示はまだ続きます。 やはり。という感じの「破壊」セクション。ビデオの記録も上映されていた、村上三郎の "入口" は子供が障子を破るがごとくのアクションの結果が作品となって残っています。ヒントが長男がふすまに穴を空ける様子からということですので納得です。嶋本昭三の "作品" も絵の具瓶を大砲に詰めてカンヴァスに向けて発射するという爽快なもの。量産されるも完成度の都合で今日残るものは今のこの作品しか無いそうです。 「時間」ではデニス・オッペンハイムの "one hour run" が興味を惹きました。雪の大地にスノーモービルで走った形跡を写真に残したものですが、地図が一緒にあるではありませんか。私も写真を撮るコンセプトとして日時と場所を明示的に残しています。これが何時の日かなんらかの痕跡として認識される日が来るのでしょうか。 そろそろ集中力も怪しくなってきたところで、最後のセクションとなりました。なんだこの白いのは…と目を近づけてみると数字がびっしり描かれています。ローマン・オパルカの "OPALKA 1965/1-∞Détail" でした。これこそ見てみないと物が言えませんがこれを描くとなると曼荼羅作家のような敢然たる忍耐力が必要だろうなあ…と思いました。 今回の展示はボリュームが非常に多く大満足です。これを作るに至った発想が凄い!と思える物もあれば、これはアートとしてどうなのよというものもあったりして、見た人が全て様々な感想を持つと思いますが、とにもかくにもこの展示、一見の価値はあります。企画としてこれだけの作品群を揃える事が出来るのも凄いなあと重うと同時に、20世紀美術史の本でも探して読むか…と皇居の森を後にしました。 #今回出展しているアーティストとその関連情報をフォローすべくをまとめを作ります。アーティスト名は「痕跡」展の図録p292-301より。関連情報はこれぞと思うものをピックアップ。今回の図録はアーティストカタログのようなボリュームがあり個人的にはおすすめです。 |
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