ディック・ブルーナ展

Written by kamochan March 22nd, 2004

2004.02.21 – 2004.03.28 板橋区立美術館にて開催された。

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……ミッフィー(うさこちゃん)の絵本でおなじみのディック・ブルーナ。彼の100冊以上ある絵本は、シンプルな手書きの線と限られた6色で構成され、子供から大人まで世界中の人々に愛されています。また、彼はオランダを代表するグラフィック・アーティストでもあります。……
(2004.02.21 – 2004.03.28 板橋区立美術館)

桜もそろそろ咲き始めたと思ったら急に真冬に逆戻り。雪まで降ってきてしまって、さすがに美術館は空いているだろうと思いきやなんのその…。今回の展示は招待券を貰っていたのでそのうち行くかと思っていたら、あっという間に会期が終わりそうになってしまったので、慌てて美術館に行く事にしました。
板橋区立美術館は公園が周囲にある静かな環境に位置する、区立の小さな美術館です。駅からは15分くらい歩くようなのでバスが良いかもしれません。

もはや説明不要でしょう。作者であるディック・ブルーナ(Dick Bruna)の名前も、ミッフィー(miffy)というキャラクタ同様に知名度があると思うのですが、今回の展示を見に行く動機は、バウハウスの影響を受けているらしいと何かで読んだため、そのような解説と関連展示があるのか?と思い行くに至った次第です。

前述した通り、今日は雪もちらつく寒い春分の日。美術館の無料駐車場に車を止め、まさか人は居ないであろうと思い、すぐの玄関まで歩いてゆくと…。美術館玄関から子供達があふれている…おそるべし、ミッフィーパワー。

初めて来た美術館ですが小さいところなので、全館を上げてミッフィー祭りと言った感じでなんか良い雰囲気です。1階はカフェと特設ショップ。2階が展示室なので、とりあえずは2階へ。受付では、子供向けに「はしらない」「さくひんにさわらない」など美術館の掟を教えるボードを持った係員が。こういうのは大事です。

部屋はいくつかに分かれていますが、とりあえず人の列に沿って見る事に。青年期の頃のドローイングの展示を見ると、絵はすごくうまくて感心します。アーティストとしての個性を出すために、このシンプルなイラストに至るまでの過程が紹介されています。タイポグラフィの効いてるポスターの制作なども行っていたようで、ポスターの展示もたくさんあります。影響を受けたアーティストの紹介もされていて、あのリートフェルトの名作椅子 “Red and Blue chair” も置いてありました。
どうやらリートフェルトとは親交が深かったようで、リートフェルトは何度か工房に遊びに来て「君のイラストはシンプルで好きだなあ」と言われたそうな。……バウハウスに影響ってこの辺だ!

小説が出来上がるまでの行程では、何度も習作を繰り返し、納得の行く1枚をトレーシングぺーパーで用紙へなぞり、その上から黒い線を書く時に、あの独特なゆらぎのある線が生み出されるのです。ゆらぎが無いミッフィーではつんつるてんになってしまいますからね。なるほど。小説の装丁イラストや、プロモーションのポスターも本当に多数を手がけており、それらを一度に見る事が出来て、量としては圧巻です。

ファンには常識なのかもしれませんが、ブルーナ・カラーと呼ばれる6色しか作品では使っていないというのを初めて知り、また改めて感心してしまいました。
これがブルーナ・カラーです。

最後に特設のギャラリーショップに通じて終了でした。郵便局も出張してきて切手を売っていました。ブルーナグッズは恐ろしい勢いで売れていくようです。これだけ人が足を止め、何かしら買って出てしまうとは…、ミュージアム・ショップとしては商業的に大成功です。

「特に子供向けに絵本を書いた事はない」とブルーナが言うように、このシンプルな線と6色の世界を可愛いと思える感性が身に付くのは、もしかすると子供時代ではなく、小中学生になってからなのかもしれません。確かに言える事は、この展示を見に来ている人が思わず口にする「かわいい~」の声は決して子供達だけのものでは無いし、ブルーナの描く世界は世界中のどの人にも愛されて共通の「ほのぼの/しあわせ」を感じる事の出来る、素晴らしいグラフィックと言えるでしょう。ちなみに私はいもむし君が気に入りました。

余談ですが、1階の男子トイレには、なんとマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)の “泉(Fountain)” があります。しかも実際に使用可能!なんで上に鏡があるのかと思いきや、そこに映った像がデュシャンの現したい構図になるのです。作品はレディメイドだし、いわゆる「本物」だろうなあ。

#去年から日本各地を巡回しているこの展示、次は、2004年4月3日~5月5日まで、横浜そごう美術館で開催予定です。

 

  • Photo: kamochan

ART-MEMO

2015.04.11 – 2015.06.28 東京都現代美術館にて開催された。

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