手探りのキッス展

Written by kamochan October 26th, 2001

‥‥この展覧会の出品作家たちは、過去の価値観が大きく転換しつつある現実を真摯に見つめながら、「手探り」ながらも現代の価値観を反映した新たな表現の可能性を試みています。彼らはそれぞれに自分の手法と視点から、過去を見直し、修 […]

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‥‥この展覧会の出品作家たちは、過去の価値観が大きく転換しつつある現実を真摯に見つめながら、「手探り」ながらも現代の価値観を反映した新たな表現の可能性を試みています。彼らはそれぞれに自分の手法と視点から、過去を見直し、修正し、解体し、再解釈して、まだ見ぬ未来への予感を含んだ作品を創り上げています。それはドキドキとして、おそるおそるながらも、未知の領域に踏み入ろうとする甘酸っぱい行為です。それはまたかつてのような善悪が単純な二元論で片づけられるような声高な主張ではありません。とても微妙で、複雑で、静謐で、あたかも「キッス」のような微熱を帯びている、魅力的な作品群です。‥‥
(2001.9.11 – 11.25 東京都写真美術館 手探りのキッス・日本の現代写真)

意図せず招待券が手に入り、展覧会に題されたタイトルでもはや見に行きたくなってしまった「手探りのキッス」展は、恵比寿ガーデンプレイス内の東京都写真美術館で開かれました。このHPにも、明確なコンセプトがあり、また人の表現方法を見るのは非常にためになります。この展覧会には気鋭の若手写真家8人の作品が並べられていました。

歴史を写すもの、見えない国境を写すもの、半覚醒を写すもの、廃墟を写すもの、霞を写すもの、アイデンティティを写すもの、自らを客体化するもの、そして、男の裸を写すものでした。

この鷹野隆大氏の男の裸体を写す作品は、出展作家の作品の中でも圧倒的なインパクトを与えているものだと思います。写真自体も大きいので余計に‥。たしか7人くらいのどこにでもいそうな普通の男の裸体を、ありありと写す。美の対象となる女性の裸体との対比で、美の価値観への問いかけをしている。というような解説でした。

極論ではあるけれども、水着のグラビアや、アダルトビデオに代表されるように、男は女のハダカを見て反応するものである。とは言っても女のためのアダルトビデオなんて皆無でしょう。一般的ではないのは何故?やはりそれはジェンダーの差の問題であって、生理的なもので、理論や理屈では解決できないものであるでしょう。現に、女性は男のハダカより、赤ちゃんの写真に反応する(瞳孔が大きく開く)そうなので。

話がずれてきましたが、これらの作品は、「男が男のハダカを見て価値観の再構築を狙っている」と私には思えました。だから、何で男の私が見るとちょっと恥ずかしい気がしたんでしょうか‥。(笑) 性ビジネスと言ってはなんですが、女性のハダカのイメージが散乱するこの世の中では、女性は女のハダカを見てもそう思わないですか?

あと、特筆するべき作品は、楢橋朝子氏の海のイメージを表現したものでしょう。つかみどころのない、のんびりしたような、いらいらするような‥そんなイメージを、海の中に半分浸かって陸を半分写したような写真で表現しています。展覧会の写真は大きく引き伸ばされていますので離れて見ないと、そんな感じはしないかもしれません。

ところで、このホームページのコンセプトは、みなさんに少しでも伝わっているでしょうか?もし、感じられている人が居たら、それはとても、うれしいことです。

 

ART-MEMO

2015.04.11 – 2015.06.28 東京都現代美術館にて開催された。

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