岡本太郎~明日の神話

Written by kamochan July 15th, 2007

2007.04.27 – 2008.04.13 東京都現代美術館 にて開催された。現在は渋谷駅マークシティ連絡通路に恒久的に “安住” している。

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……岡本太郎の壁画《明日の神話》(1968-9年)は、メキシコシティで建設を予定されていたホテルの壁画として制作されたものの、依頼者の経営状況の悪化により開業が中断され、その行方は長らく不明になっていました。しかしながら、故岡本敏子氏の長い期間にわたるご努力により、2003年にメキシコシティ郊外の資材置き場で奇跡的に発見されました。けれども、長い間かえりみられることがなかった壁画は、大きな損傷を受けている状態でした。翌年、岡本太郎記念現代美術振興財団内に再生プロジェクトチームが発足し、壁画の移送・修復への本格的な取り組みが始まります。ところが2005年4月、日本への移送準備が整った矢先、岡本敏子氏は急逝されました。こうした大きな困難がありながらも、この壁画を日本に戻そうとするプロジェクトの意志は引き継がれ、日本へと移送された壁画の修復作業が愛媛県東温市で行われ、巨大な壁画は再び当初の姿を取り戻します。……
(2007.04.27 – 2008.04.13 東京都現代美術館)

2007年の東京の梅雨は空梅雨になりそうです。薄曇りの蒸し暑い午後2時。大江戸線・清澄白河駅で降りて、寺と商店街が交錯する下町を歩くこと約10分、意外と遠いです。ようやく公園の緑とともに東京都現代美術館が見えました。今日の目的は、岡本太郎(Taro Okamoto)の巨大壁画を見ることです!この壁画は、2006年に日本テレビのゼロスタ広場でセンセーショナルに公開されていましたが、その時には見に行くことができず、次に公開される時期を待っていました。運良く次の公開予定が発表され、場所を変えることなく東京で見ることが出来るようになりました。

Museum of Contemprary Art Tokyo
東京都現代美術館の正面玄関。公園の緑と幾何学的ファサードが印象的。バスの停留所や車寄せがあります。
Information
マルレーネ・デュマス展も開催されていましたが、この日にはもう公開終了していました。

 

チケットカウンターで常設展のチケットを購入。企画展の「マルレーネ・デュマス展」は数日前に終わっていました。常設展ホールの手前の地下展示室では、トーキョーワンダーウォール入選作品展もやっているようです。ひとまず廊下を進み、ミュージアムショップを抜け、常設展ホールに入ります。今日は平日と言うこともあり、広大な空間が余計に広く、静かに感じられます。

さて目指す壁画は3Fの展示室にあるようですが、いきなり見に行くのも勿体ない気がする…と思ったところで、おおこれは倉俣史朗の “how high the moon” ではないか!とつい反応。しかしこれも作品を構成する一部。肝心の作品名を忘れてしまったのですが、椅子に腰掛けて長く伸びるパイプを両耳に近づけると、今まで聞こえなかったノイズが増幅されて、サラウンドのように聞こえてくるというもの。入ってすぐの所に展示されていました。

展示室に入ると、昨年新たに収蔵された作品たちがあります。なかでも気に入ったのは、加藤美佳(Mika Kato)の “カナリヤ” です。前にもどこかで見たような気がしないでもないのですが、少女でもなければ大人でもない、不思議に魅力的な顔の絵画です。こちらをまっすぐ見据えていて、こちらも見返さなければならないような感覚。後で調べてみると、人形を創ってそれを写真に撮り、それを元にして描いているそうです。ずっと見ていると昔のBjörkに似ているような気もしないでもない…。そして、アンディ・ウォーホルや、ロイ・リキテンスタインの絵画をくぐり抜けて、3Fの展示室へと階段を上ります。

壁画の展示室の前には、岡本太郎の創った陶器が展示されていました。具体・白髪一雄(Kazuo Shiraga)の “天微星九紋竜” も迫力ある作品です。先日、オークションで驚きの価格を付けた、マーク・ロスコ(Mark Rothko)の作品もありました。

Myth of Tomorrow - Study
“明日の神話” の下絵。白く塗りつぶされているが、赤外線撮影をすると隠された下絵が浮かび上がった。

 

そして次の部屋が “明日の神話” の展示室。巨大さと不気味さに思わず足が止まってしまいます。写真では何度も見ましたが、実物を見るとものすごく圧倒されます。太陽の塔を初めて見たときと同じ圧力というか迫力というか…怖いけれどもその色彩に目がつい行ってしまうような、言葉に表せないようなものです。いやほんとすごい。そして、壁画と比べると、だいぶ小さいスケールの下絵もあって、岡本太郎記念館で発見されたもののようです。なぜこれが白く塗りつぶされていたのか…。

Myth of Tomorrow - Study
“明日の神話” この写真では半分くらいしか撮れていません。この展示室だけはフラッシュ無しで写真撮影フリー。

 

展示室にほとんど人がいなかったというのも贅沢かつラッキーでした。じっくり15分ぐらいはあれやこれやと見ていたと思います。展示室を出たところに、八谷和彦(Kazuhiko Hachiya)の “エアボード” があったり、ヤノベケンジ(Kenji Yanobe)の “太陽の塔乗っ取り計画” の映像が見られたりして、かなり満足な展示内容でした。壁画は来年の4月まで展示されている予定なので、常設展の内容が入れ替わったら、また来てみたいと思います。

帰りに地下展示室のトーキョーワンダーウォール入選作品展も見てみました。こちらは入場無料で、これからのアーティスト達の作品が100点弱も展示されており玉石混淆です。世相を反映しているのか、全体的に精神的不安や不条理な観念をベースにした作品が多かったような気がします。仏教をアレンジしたものも多くあったような気もします。横野健一(Kenichi Yokono)の木版画 “すべり台からおりてはいけないルール” が良いなあと思いました。

“明日の神話” は見られること、語られることで人々の中に新たな神話を生産する…とリーフレットにあります。見た後は確かに誰かに何かしゃべりたくなります。意外と美術の話は人にしゃべりませんから、こうして人を動かす、この壁画の魅力は後世に残す価値ある作品だと思います。

#東京都現代美術館の図書室はかなり規模が大きくておすすめです。携帯での作品解説(ITSUMO+)などを行っていて、なかなか先進的と思いきや、常設展での展示作品紹介や作品データベースのメンテナンスがまだまだのようなので、ぜひこのあたりに力を入れてほしいです。

 

  • Photo: kamochan

ART-MEMO

2015.04.11 – 2015.06.28 東京都現代美術館にて開催された。

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